11月以来まともに使用してなかったkyon.exeが
Jane Doe Styleの仕様が変わったせいかまともに動作しなくなってたので調査。
kyon.iniの[JANEDOESTYLE]セクション中の
ARTICLE_CLASS=TTntMemo.UnicodeClass
を
ARTICLE_CLASS=TTntOleMemo.UnicodeClass
に修正すれば正常に動作します。
まあ、使ってる人なんていないだろうけど一応報告。
つーわけで、えらい久々な文章というかSS
↓からどーぞ。
ハルヒと『ぬこハルヒ』とが入れ替わってから数日後、俺たちが何かの対策だか方針を打ち出すどころか、まだよく状況を把握していない時点のことだ。
その日、教室に着いた俺が鞄を開けると、何故か中でぬこハルヒが『ぷぅぷぅ』と鼾をかきながら爆睡していたのであった。
って、何をやっとるんじゃ、お前はー!
「うにゃ?」
慌てて鞄を閉じて廊下に飛び出す。目覚めたぬこハルヒが中で暴れる鞄を、すれ違う生徒らの訝しむような視線から覆い隠しつつ、俺は旧館三階の一角、つまり文芸部室に駆け込んだ。
全く、それにしてもいつの間に鞄に潜り込みやがったんだ、こいつ?
でもまあ、さすがに今からだと俺の家に連れ帰るわけにもいかないし、しばらくはここで我慢してもらうとするか。
「いいか、頼むから大人しくしててくれよ、じゃあ、後でな」
「にゃー、にゃー!」
「だから静かにしてろ、いいな」
無理矢理閉めたドアをカリカリと引っ掻く音を聞くと、何とも言えない後ろめたさが残ったものの、他に選択肢はない。すまんな、ぬこハルヒ。帰ったら高級缶詰で勘弁してくれ。
念のため、休み時間に長門にも事情を説明したところ、昼休みに部室に行くとのことらしい。
「猫涼宮ハルヒの昼食はわたしが用意する」
そうか、いつも悪いな、長門。
「いい」
だが、その長門の申し出に油断したわけでもないが、放課後までずっとぬこハルヒを放置しておいたのが問題だった。
ドアの向こうは、阿鼻叫喚の地獄絵図であった。
「あ、キョンくん。ふえぇ。ね、ねこ涼宮さんが……ひょえぇ!」
部室内の備品、とは言い難い物も多数だが、とにかく物品が散乱する中、朝比奈さんのエプロンドレスの中に潜り込んだり、髪にぶら下がったりと、ぬこハルヒは暴虐の限りを尽くしていたのであった。
「うにゃーん! にゃにゃにゃーん!」
こら、ぬこハルヒ! いい加減にしないか。大人しくしてろって言っただろ。
「にゃーん!」
「ふにゅ~……」
「猫涼宮ハルヒは極度の欲求不満状態に陥っている。早急に解消しないと非常に危険」
冷静に告げる長門の頭にまで駆け上ってぬこハルヒは雄叫びを上げる。しかし、ここには猫じゃらしの類も用意してないし、一体どうすればいいんだ?
「おやおや、これは大変ですね。どうかしましたか?」
どうかじゃねーぞ、古泉。見ての通りだ。
「なるほど、つまり猫涼宮さんは非常に内に秘めた闘争心を持て余しておいでのようです。それではひとつ、僕とのゲームでその迸るエネルギーを昇華させてみる、というのはいかがですか?」
と、古泉はどこからかまた新しいボードゲームを持ち出したのである、お前、ぬこハルヒがそんなことで……、
「にゃ?」
と、珍しくぬこハルヒが興味を持ったようだ。こいつ、以前から俺と古泉のしているゲームになんぞ興味なしといった素振りだったのにな。
「そこはそれ、何かこう引き合うものがあるのではないでしょうか。なんといってもこれは『どうぶつしょうぎ』ですので」
「ど、どうぶつしょうぎ、ですか?」
小首を傾げた朝比奈さんの声に続き、例によって長門がご丁寧に解説をしてくれる。
「どうぶつしょうぎ。将棋のルールを模したゲームの一種。駒の動きを簡略化し、3×4の盤面を用いる」
長門は一通りルールの説明までしてくれたのだが、詳細は割愛させてもらう。要するに「ぐぐれ!」ってことだ。
なるほど、確かにこの駒はなんとなく積み木かブロックのおもちゃみたいだし、ぬこハルヒも面白がって駒を転がして遊んでいる。
「お気に召していただいたようで何よりです。せっかくですし、実際に対局してみますか、猫涼宮さん?」
「にゃっ!」
ってハルヒ、いつの間にかお前、やる気になってるな。さっきの長門の説明でルール解るのか?
「にゃー!」
なんだか根拠はよく解らんが、ものすごい自信だ。元のハルヒだろうが猫になっていようが、こいつはちっとも変わっちゃいないんだ、やれやれ。
というわけで、戦いの火蓋は切って落とされた。先手の『森チーム』がぬこハルヒで後手の『空チーム』が古泉だ。
「では猫涼宮さん、よろしくお願いします」
「にゃっ」
お互いに礼をして、対局開始。まあ、礼儀作法は大事だってことかね。
「うにゃー」
鼻息も荒く、ぬこハルヒは自分のライオンの駒を進めた。猫化していてもこいつは指揮官自ら最前線に突撃するつもりらしい。
「なるほど、初手は▲C3ライオンときましたか。では僕もお付き合いして△A2ライオン、と」
「…………」
うん? 長門が今僅かに古泉の指し手に妙な反応を見せたような……気のせいか?
「にゃー」
「ほほう、トライ狙いで▲C2ライオンですか」
古泉の言っている『トライ』とは敵陣一段目に自分のライオンを取られずに侵入させることだ。相手のライオンを取る以外のもう一つの勝利条件となっている。
「これは僕も守りを固めないといけないようですね。では△B1きりん、で」
刹那、ぬこハルヒの瞳が獲物を前にした猛獣のように輝いた。
「にゃっ!」
「ううむ、、▲B2ひよこ、ですね。これは困りました。とにかく取るしかないようですが、△同きりんだとぞうを取られてトライされてしまいますし……仕方ありません、△同ぞう、です」
「にゃにゃっ!」
ぬこハルヒは間髪入れずに次の手を繰り出した。自信満々な様は元のハルヒの立ち振る舞いを髣髴とさせるな。
「▲B3ぞう、ですね。どうしたらいいと思いますか?」
俺に訊くな。大体この局面ではもう既に手遅れだろう。最後まで指してやってくれ。
「――では、△A1ライオンと下がります」
「にゃー」
ぬこハルヒは持ち駒から▲A2ひよこと打ち、これを古泉はきりんでもぞうでも取ることが出来ないのだった。
「△同ライオン、しかありませんけど……」
「うにゃーん!」
ぬこハルヒが▲同ぞう、と古泉のライオンを『キャッチ』したところで勝負あり。
「参りました。僕の負けです」
「にゃーん!」
古泉が投了を告げて頭を下げる。と同時にぬこハルもぺこり、とお辞儀。礼に始まって礼に終わる、ってことで、何とか対局は無事ぬこハルヒの勝利で幕を閉じた。
「うわぁ、ねこ涼宮さん、すごいです」
「……お見事」
「いやはや、さすがは猫涼宮さん、お強いですね。手加減したつもりはなかったのですが、全くの完敗です」
って、古泉。まさかとは思うが、お前勝つつもりで指してたのか?
「ええ、そうですが、それが何か?」
なんというか、古泉のボードゲームの類の弱さというものはぬこハルヒ相手であっても発揮されるものらしい。ある意味大した奴だな、おい。
「あの、あまり真面目に突っ込まれても……」
何気に落ち込んだ様子の古泉なのだった。ドンマイ……。
ぬこハルヒは勝って当然といった感じでしばらくふんぞり返っていたのだが、やがて俺たちの見ている前で怪しげな踊りを始めた。勝利の舞のつもりなのだろうか?
「にゃー!」
ちなみに、後で長門に聞いた話なのだが、二手目に古泉がぬこハルヒの真似をしてライオンを移動した手が敗着で、以降はどう足掻いても勝ちはなかったらしい。単純そうなゲームでも案外侮れないってことかね。詳細は『まねっこ退治』でググる先生に以下略。
まあ、それ以前に『森チーム』相手に古泉が勝利することはあり得ないってことなのかも知れん。どうでもいいことだが。
当のぬこハルヒは一度の対局であっさり満足したのか、その後は古泉の対局相手をしている俺の頭に登って遊んでいた。つーか、痛いから髪の毛を引っ張るな、引っ掻くな、噛み付くな!
「にゃーん!」
おいコラ……全く、困ったもんだ。お前を膝に乗せてモフり続けたままだと、集中力を削がれちまうじゃないか。
結局、翌日からぬこハルヒは俺の鞄に潜り込んで北高まで遊びにくるのを日課にしやがった。どういうつもりなんだ、こいつ?
一応、長門のジャミング操作で一般の人の目に触れても問題ないようにはなっているとのことらしいが、これから一体どうなることやら? やれやれだ。
古泉はネタ的には出落ちって感じだけど
久々に活躍(?)したからいいよね。
さて、明日はバレンタインなネタでも描けるんかな?
って書く方はもう諦めてるんかい!
(´・ω・`)
