(´・ω・`)ノシ

一つ前の記事で真宮様のケータイへし折り事件をネタにしてサーセンwww
てな流れがあったわけですが、そのお詫びに何かSS書きまっせ~てなこと言ったら

>>あれですよ、
>>
>>高校生キョン×大学生ハルヒって、良いと思いませんか?
>>
>>
>>年下攻めですよ…!!年下…!

てなお題を頂いてしまったのですがw
書いてみたはいいものの、なんか斜め上っぷりがとんでもないものに仕上がってしまったっていうwww

本当は昨日公開できたら御の字かなって思ったら
ちょいとばかり大掛かりな直し中にPCが青画面であぼーん orz

せっかくだし色々手直ししてたら何か妙に長くなってしまったんで
捧げ物なんですけどせっかくだからスレに投下~てなことになっちゃいました。
真宮様どうもすみません。でもちゃんと書いたよ!!
だから大学生ハルにゃんのイラスト描いて下さいますよね!!<催促すんなボケwwww


拍手レス。ありがとうございます。

>911様
いえいえ。<なんかこればっかだなw
どんなに古い記事でも掘り起こしてコメントつけていただけると狂喜乱舞しちゃうと思いますw
#って催促してどうするよwww

>真宮様
これは(・∀・)イイ!!お題ですね。
よろしい、なんとかトライしてみますよ(`・ω・´)ノシ
って、当然真宮様が挿絵を書いてくださるんですよね???wwwwww

#課題ひとつクリアしたらまたひとつ追加・゚・(ノ∀`)・゚・<ヨロコンデルノ?

SSは↓からどうぞ~ノシ


 目覚まし時計のアラーム時刻前に目を覚ますと、俺は携帯電話の表示を確認する。
 曜日は火曜日、日付は……、
 またかよ――予想通りの結果を目にした俺は、あと数秒後に妹が部屋に侵入してくるであろうことを意識する。
「あれー、キョンくんがもう起きてるなんてめずらしいんだー」
「だから、俺の部屋に入る前にはノックぐらいしろって言ってるだろ!」
「てへっ♪」
 『予定調和』そのものといった遣り取りもそこそこに、俺は妹と共に洗面所に向かう。
「やれやれ、勘弁してくれよ」
 偶には違うことを言ってみたいと思うのだが、どうもこればかりは変えようがないらしい。
 というわけで、もうお気付きの方もおられるだろうが一応説明しておくと、またハルヒが何かやらかしたらしく、ここ一週間を既に十五回ほど繰り返しているのである。
 しかも、今回の問題はそれに留まらなかったのだ。
「ねえキョンくーん、かてーきょーしのせんせいって、どんなひと? だいがくせーって大っきい人なのかな?」
 能天気な妹の言葉で否応無しにそのことを意識させられる。
 そう、成績の低迷の業を煮やしたお袋の計らいで、本日から大学生の家庭教師様が俺につけられることになっているのだった。
 しかもその先生は女性、即ち女子大学生なのである。え、何? 羨ましいだって?
 最初は俺だってちょっとは期待してしまったさ。でもな、いくらなんでもこりゃねーよってみんな思うであろうことは俺が保障するぞ。

 ちなみにその家庭教師の先生の名前は『涼宮ハルヒ』っていうんだ。

 朝、俺が五組の教室に顔を出すと、後ろの席でハルヒが力なく突っ伏しているのも毎度のことだ。
 ループの最初のころは本気で心配してしまった俺だったのだが、何故こいつがそうなってしまっているのかその理由も知っているし、現状ではどうしようもないことも解っているので軽く受け流すことにするのだった。
「よう、元気無さそうだな」
「――別に」
 やれやれ、しかし事情を把握していながらもハルヒがこんなにグッタリしているっていうのは俺の精神衛生上も良くない気がするのはどうしてなんだろうな。
 しばらくしてハンドボールバカ教師がやってきてホームルームが開始される。
 金曜日に行われる模擬試験についての説明、そこに挟まれるギャグもいい加減聞き飽きてしまっているために、俺はあくびを咬み殺すしかなかったのだ。

 午前中の授業も終わり、ハルヒはまるで魂を何処かに置き忘れたかのようなフラフラとした足取りで学食に向かった。
 さて、俺は――いつもみたいに国木田や谷口たちと弁当を食うのではなく、旧館の一角を目指すのであった。
 俺が到着するころには、部室内では長門が読書モードでスタンバイしていてくれている。
「よう長門。今日から十六周目に突入、ってことで合ってるよな?」
「……」
 無言のまま長門はナノレベルの頷きでもって俺に肯定の意を示す。
「今回も特に変わりは無いか?」
「データの欠落が多数認められるために断定はできない。でも、残りの状況から判断する限りでは過去十五回の状況との一致点からしてそのように結論付けられる。その点に関してはあなたの方が把握しているはず」
 やはりループ前の記憶を保持しているのは俺一人だけの様である。
 当然朝比奈さんも古泉も、当のハルヒすら前の記憶なんて綺麗さっぱり消去させられているらしい。
 さしもの長門ですら失われたデータが多くてどこか戸惑っているようにすら感じられるのだ。
「そうか。……早速ですまないんだが、例の、と言っても長門に質問するのはこれが初めてってことなんだっけ? まあいい、その、大学生の『涼宮ハルヒ』の方はどうなっているんだ?」
 長門の方でも既に俺の質問は想定されていたのであろうか、すぐに回答が発せられる。
「『彼女』は本日零時零分零秒、即ち時空改変が発動した時点より涼宮ハルヒによって生み出された意識体が具現化したものと推定可能」
 難しいことは例によって理解できんが――つまり、そいつはハルヒが作り出したハルヒ自身の生霊みたいな存在ってことなんだろうかね。
「厳密には異なる。でも概ねそう把握しても齟齬はないと思われる」
 しかも、いつの間にかそいつが俺の親戚だとかいうことになっちまってるわけだ。全くハルヒのヤツ、どういう都合でそんな世界を作っちまったのやら。
 しかも現在ハルヒ本人は抜け殻状態、ってなわけか、と既に何度も考えたことを一々復習してしまうのも我ながらわざとらしくて苦笑せざるをえないね。
 わざとらしさついでに毎度の質問を長門にしてみる。
「それで、どうすればこの状況から脱出できるんだ?」
 その質問に対する長門の答えも、まあ当たり前のことではあるんだが予想通りなのだった。
「それは、あなた次第」

 放課後、ハルヒは焦点の合わない目をしたままで、
「キョン……ごめん、あたしなんだか今日は調子が良くないから、SOS団の活動はお休みにさせてもらうわ。みんなにも伝えておいてね」
 と、らしくもない言伝を俺に託したままさっさと帰ってしまった。
 過去数回のループの時には無理矢理追いかけて色々と問い詰めたんだが、暖簾に腕押し、糠に釘といった有様で、何の結果も得られなかったことは言うまでもない。

 さてと、部室に顔出して、朝比奈さん、ついでに古泉にも話をしておかないとな。
「あ、キョンくんいらっしゃい。あ、あれ? あの、涼宮さんは、ご一緒じゃないんですか?」
「ああ、朝比奈さん、そのことでちょっとお話がありまして――おい古泉、一応お前にも話しておいてやる」
「ほう、どういったお話なのでしょうね?」
 ちなみに長門は昼休みに見たときと同じく読書中だ。
 出来れば予め二人に説明しておいてくれたら俺から説明する手間も省けて済んだのに、とか思いながらも、まあ長門自身も今回の件では色々と不確定な部分が多いため、勿体をつけた名探偵じゃないにしても説明できることは少なすぎるのかも知れんな。
 俺は過去数度の経験を生かして、今現在ハルヒが生じさせている一週間ばかりのループの内容をなるべく解りやすく説明したつもりだ。
 ………
 ……
 …

 俺の話が済んだ途端、朝比奈さんはどこか焦った様子で、
「あ、あの、みなさんちょっとすみません」
 と如何にも申し訳なさそうに断りをしてから部室外に出て行かれた。まあ今までの経緯からすると、一分ぐらいで戻ってこられるはずである。
「ふえぇっ、きょ、キョンく~ん!」
 ああ、泣かないで下さい朝比奈さん。あなたがそんな悲しそうな顔をすると、俺の心も――いやそんなこと言ってる場合じゃないよな。
 まあ要するに俺の話を聞いて早速朝比奈さんは元の時代に確認の連絡を取ろうとしたものの、例によって通信不能で涙目、ということなのだった。
「なるほど、僕自身そういった記憶が残っていないのでなんとも言いようが無いのですが、つまりはその、もう一人の『涼宮さん』が今回の一件の要となりそうですね」
 相変わらず理解が早すぎてそれが癪に障る古泉である。しかも以前のループと寸分違わぬ口調がまたイヤミ加減を余計に上昇させてしまうってもんだ。まあそれはこいつの責任でもなんでもないんだが。
 とにかく、今回の件は俺単独でなんとかするしかなさそうだ、というのが今までにも出された結論なのであった。
 そして、ハルヒもいないので本日の活動は終了、そのままみんな下校する運びとなった。

 問題は、帰宅してからなんだがな、俺の場合は。

 さて自宅に到着、玄関に入った俺の目には『見覚えのある』ヒールの靴が揃えられているのが確認できたのだ。
「あら『キョン』、お帰りなさい。勝手に上がらせてもらっちゃってるわよ」
 頭上からの馴れ馴れしい呼びかけに俺が視線をやると、その二階の廊下の手すりの向こうには、どこかあいつの面影を残しつつも妙に色っぽいお姉ちゃんがこちらを覗き込むようにして手を振っている姿があったのだ。
 俺は、その黒縁眼鏡を掛けてタイトなスーツに身をまとったとびっきりの美人な女性に声を掛けたのだった。
「ああ、ただいま、『ハルヒ先生』」
「あら、へえ~、ちゃんと先生って呼んでくれるんだ」
 もう一人の『涼宮ハルヒ』その人は俺に向けていたずらっぽくウインクを飛ばしてきた。

 ちなみに、この『涼宮ハルヒ』が俺の家族とどのような関係ということになってしまっているのかというと、親戚のお姉さんであり、近所にアパートを借りていることもあって、お袋が家庭教師をお願いした――ってことらしい。
 前に会ってから十何年も経ってしまっていたため、妹とはこれが初対面ときたはずなのだが、何故か妙に意気投合してしまい、もう既に『妹ちゃん』『ハルにゃん』と呼び合う仲になっているのはどういうことなんだ、全く。
「で、今度の金曜が模試なんだって? あんたって要領が悪いようにもそんなにアホなようにも見えないんだけど、なんでこんなに酷い成績なのかしらね」
 ズバズバ言いたいことを言うその口調は俺のハルヒと何ら変わるところは無いね。
 ただ、年相応というのだろうか、声色が結構艶やかで何かこうドキッとさせられるものがある。
 具体的には某週刊少年誌で連載されててアニメ化までされたアメフトものに出てくるマネージャのお姉ちゃんの声でも想像していただけるといいのかもしれない。って何だこのメタな説明は? 自重しろ!

 ここで一ループ目、即ち俺がまだ状況を何も把握できていなかったときのことを中心に、これまでのことを振り返ってみる。
 個人的にはどうでもいいと思うが、一応これをお読みのみなさんに説明の必要があるだとかいう、神の声だかなんか知らんけど聞こえてしまったんだから仕方がない、ということである。まあ気にすんな。
 ………
 ……
 …

 その日の放課後、気分が優れないとかでSOS団の活動を休みにするとかぬかしたハルヒに面食らってしまった俺は、一体何があったのか必死で探ろうとしたものの、まったくの無反応振りに唖然とするのみであった。
 一体何が起こっているのかわけも解らんまま帰宅した俺を待ち受けていたのは、谷口の言葉を借りたわけでもないが、まさに『驚天動地』の展開だったのだ。
 玄関に入って俺が目にしたのは、そこにあるのが当然といった感じに揃えられている、見覚えのない洒落たヒールの靴なのだった。
「あら『キョン』、お帰りなさい。勝手に上がらせてもらっちゃってるわよ」
 頭上からの馴れ馴れしい呼びかけに驚いて視線をやると、その二階の廊下の手すりの向こうには、どこかで見たことがあるような妙に色っぽいお姉ちゃんがこちらを覗き込むようにして手を振っている姿があったのだ。
 俺は、その黒縁眼鏡を掛けてタイトなスーツに身をまとったとびっきりの美人な女性にただ見惚れるばかりであったのだった。
「どしたの、『キョン』?」
 気のせいか、どことなく面影がハルヒに似ている、だが、こんな馴れ馴れしいお姉ちゃんのお知り合いなんて俺にはいるはずもない。
「あ、あんた、一体誰なんだ?」
「コラちょっと! いくら親戚だからって一応は年上に対してそんな口の利き方許されると思ってんの?」
「……どちら様で?」
「もう、酷いわね『キョン』。あたしは『ハルヒ』よ、『涼宮ハルヒ』! 大学に通い出してからずっとこの近くにアパート借りてたのに、あんたってば遊びに来るどころか全然挨拶にも来なかったじゃないの!」
 その『涼宮ハルヒ』を名乗ったえらい美人は俺に向けていたずらっぽくウインクを飛ばしてきた。
 俺の顎がカクンと音を立てて落下したのは必然というものだろうよ。

「……で、あんたのお母様にお願いされて、あたしはあんたが今週の模試で悲惨な点数を取らないようにみっちりと勉強を仕込んであげる、ってことに決まったの」
「ふざけんな――じゃなくてふざけないでくださいよ。大体模試は金曜日だし今日も含めて後三日しかないのに何ができるっていうん――ですか?」
「ゴチャゴチャ言わないの! 出来るかどうかじゃなくって、やらなくちゃいけないのよ!」
 どこかで聞いたような熱血な言い種である。
「それから『キョン』、今からあたしのことは『先生』って呼びなさい。いいわね?」
 なんだよそれは。そういう面倒な類の決め事は勘弁して欲しいんだがな。
「ほら、返事はどうしたの?」
 アヒル口でむくれる『ハルヒ』、全く、こんなところまでそっくりだなんてな。
「了解しました、『ハルヒ先生』」
「ふふん、よろしい!」
 そういって笑顔になった『ハルヒ先生』の瞳は眼鏡越しにも解るぐらいにキラキラと輝いていたのだった――お約束だけどな。

 てなわけで三日間の間『ハルヒ先生』に俺は家庭教師の個人授業を受けることになったのだ、ってそこ、『個人授業』即ちプライベート・レッスンてなことで変な想像するんじゃない!
 なんせ、容貌だけでなく性格までハルヒの生き写しである。こちらもそれに釣られてついタメ口を利いてしまうことになり、その度にお説教というか口喧嘩というか罵り合いなのである。まともに勉強なんて出来るはずがない。
 その間も、昼間学校で長門に色々と調べてもらった結果、先に述べたようなことが明らかになり、途方に暮れる俺なのだった、ってそれは一週目限定でのことであり、以降は『ああ、またか』の一言でお終いだったんだけどな。

 ちなみに模試の結果は例によって毎ループ全てボロボロ。
 月曜日にそれを報告したところ『ハルヒ先生』は反省会と称してお説教を散々見舞ってくれた挙句、肩を落として帰途に着くというところまでが予定調和とでも言うべきお決まりのコースだったのだ。

 で、その晩眠りについた俺が目を覚ますと――何故か一週間前の火曜日の朝に逆戻り、というパターンなのである。
 しかも、今回のケースでは解っている範囲では長門も含め、俺以外にループの記憶を残している人物は皆無であったのだ、というのは既に説明済みなんだったっけ?
 やれやれ、一体どうすればこの見えない迷路から抜け出せるんだろうな、とつい不安になってしまう俺を誰が責められようというものだ。

 …
 ……
 ………

「まあ、安心しなさい、『キョン』! あたしにかかれば模試の一つや二つ、どうにでもなっちゃうんだからね。大船に乗ったつもりでいてくれて構わないわよ。超弩級よ、ドレッドノートなんて目じゃないんだから」
 相変わらず言葉の意味はよく解らんが凄い自信だな。
「でもなあ『ハルヒ先生』、いくら任せろって言われても、実際試験を受けるのは俺なんだし、そこで失敗したら元も子もないわけで」
「ああもう、一々グダグダ言わないの! でもそうねえ、『キョン』にやる気を出してもらうためにも、あたしも一肌脱いじゃおうかしらね」
 一肌脱ぐって、なんかちょっと変な想像をしてしまった俺をどうか許してくれ。
「模試の結果によっては、あたしが『キョン』の言うことを一つだけ何でも聞いてあげる、ってのはどう?」
 何でも聞く、ね。
 ただし、それには相応の成績を挙げなければならんことだろう。それこそ、どうにも言い逃れできないようにするには全教科満点でも取らないとな。
 ……待てよ? ひょっとして。
 十五回も繰り返して今まで気付かなかった俺も相当マヌケだが、おそらく今のこの状況を打破するにはこれしかないんじゃないのか?
 せっかく家庭教師についてもらったものの、ループ毎にかったるいとばかりに代わり映えのしない模試の問題を適当にしかこなさなかったのが間違いだったのかも知れん。
 おまけに何度も繰り返したせいで問題内容はほぼ記憶してしまっている。これを最大限利用しない手は無いではないか。
「『ハルヒ先生』、俺、精一杯やってみます」
「そ、そう? なんかあんたにしては熱血過ぎないかしら、そのキャラ?」
 戸惑い気味の『ハルヒ先生』相手に俺は模試で出題される問題を覚えている限り質問しまくった。
 元々ハルヒの生み出した存在ということもあって、『ハルヒ先生』は模試の問題に完璧な解答と、何がエッセンスなのかということを的確に教えてくれたのだった。
 てなわけで、この三日間は俺からしても考えられないぐらい充実した学習期間となったのだ。
 できればこれで大学受験も何とかなって欲しいんだが、まあそこまで高望みするのは罰が当たるってモノかも知れんがね。

 てなわけで金曜日の模試である。
 考えてみれば既に十六回目だぞこの問題。別に家庭教師とかしてもらわなくても満点取れるぐらいじゃないとあまりにも酷いんじゃなかろうか。
 まあ、それはどうでもいい。今は目の前の問題に集中だ。
 さっさとこの厄介な状態をなんとかして、後ろの席のハルヒに元気になってもらわないことには、何か俺も困るんだよ、色々とな。

 明けて月曜日、模試の結果が返ってきた。

 俺の成績は、残念ながら全教科満点とまではいかなかったものの、クラスでもトップの得点であった。
 なお、ハルヒと俺の得点が全く同じであり、しかも席が前後していたということもあって、何故かカンニング疑惑が持ち上がったりしたのだが、普段の成績を顧みても被疑者である俺の方が席が前側ということもあって無事疑いは晴れることとなったのだった。

 その日の帰宅後のこと。
 模試の成績を報告した俺に『ハルヒ先生』は喜色満面といった感じで、
「ほら、やっぱりあたしの言った通りでしょ? まあ、あたしが家庭教師してあげたんだから当然の結果よね」
 と、胸を張ったのだった。
「ありがとう『ハルヒ先生』。まさか俺もここまでの結果が出るなんて思ってもみなかったですよ」
 しかし、思い起こせばこの十六回のループで、こんなに『ハルヒ先生』が嬉しそうにしているのは初めてのことかもしれないな。
 確かに今までは勉強するのもかったるくて、つい反抗したりしてしまったために気まずくなってしまったりしたことも多々あった。
 そういう意味では満足してもらえたのではないかとも思うのだ。
 当初は俺も警戒のあまりにまともに会話する気にもなれなかったのだが、今ではタメ口とまではいかないものの、こうして普通に話しかけられるようになっている。
 こうしてみると、『ハルヒ先生』は紛れも無く『涼宮ハルヒ』なのだ。今のハルヒが大学生になったら、多分こんな感じになるんじゃないかって気もする。
「いい? 『キョン』はやればできる子なんだから、もっと普段からちゃんとすればいいのよ。でもそうね、何だかあたしも自分のことみたいに嬉しいわね。約束通り、何でも一つだけあんたのお願いを聞いてあげてもいいわよ」
 百ワットの笑顔でそう告げてきた『ハルヒ先生』。その眩しさについ、ああ、このままでもいいんじゃないか、って思いが心のどこかに生じてしまいそうになる。
 でもそれは許されない。俺は今のハルヒを元通りにして、一刻も早くこの馬鹿げたループから脱出しなければならないんだ。

「ん? どしたの、『キョン』。何か妙に深刻そうな顔しちゃって……」
「『ハルヒ先生』、俺、どうしても貴女に聞いて欲しいことがあるんです」
「なによ、そんなに改まっちゃって。まあそういう約束だからいいわよ。あ、でもあんまり無茶なのは止してよね」
「無茶でも無理でも、どうしても聞いてもらわないといけないんです!」
「『キョン』? や、やだ――あんた、ちょっと目が据わってるわよ」
 俺の剣幕に虚を突かれたのか、『ハルヒ先生』は困惑気味な表情で、立ち上がって後退りしてしまった。
 駄目だ、このままでは逃げられてしまうかもしれない。焦った俺は『ハルヒ先生』のことを捕まえるかのように、両肩に手を置いて一歩踏み出した。
「『先生』!」
「い、いやだ、『キョン』……ふざけないで――きゃあ!」
 更に後ろに下がろうとした『ハルヒ先生』は足をもつれさせたのかバランスを崩して後方に――俺のベッドの上に倒れ込む。
 当然だが、その肩を捕まえていた俺自身も支えを失って、その上に重なるように乗っかってしまう。
 そのままの状態で見詰め合う俺と『ハルヒ先生』。
 と、『ハルヒ先生』は頬を桃色に染めて目を逸らしてしまった。
 そこで俺も気付いた。
 おいおい、この体勢は――、
「だ、ダメよ、ダメ。……『キョン』、どいてちょうだい」
 さっきまでのお姉さん口調はどこに行ってしまったのか、『ハルヒ先生』は俺に懇願するような調子でか細い声を上げた。
 その色っぽさに感化されたのか、はたまたこの機会を逃してはもう事態をどうにかするチャンスは無いだろうと思い込んでいたためなのか、俺も何かが壊れてしまったかのように、普段ではありえないような言葉を繰り出していたのだった。
「そんなのズルいですよ、『ハルヒ先生』。何でもお願いを聞いてくれるって言ったのは『先生』じゃないですか? やっぱり……大人ってみんな嘘吐きなんですね」
「ええっ? あ、あたし、そんなつもりじゃ……」
「『ハルヒ先生』! 俺の願いを聞き届けてもらえるのは――貴女だけなんです!」
「や、やだ。あたし……こう見えてもまだ彼氏もいなければ、そっちの経験なんてのも当然無いわけだし……でも、『キョン』が相手ならそれでもいいかも、なんて思ったりしなかったわけでも、ってなに言わせんのよ!」
 混乱のあまりわけの解らないことを口走る『ハルヒ先生』だが、俺はそれを気にせずに伝えるべきことをハッキリと言ってのけるのだ。
「どういう理由でこんなことを仕出かしたのか解らないけど、『ハルヒ先生』だってもう十分満足してくれたはずですよね? だから――早く元のハルヒに――俺の大事な涼宮ハルヒに戻ってくれませんか?」

 俺の言葉を聞いた『ハルヒ先生』は一瞬フリーズしてしまったかのように見えた。
 その直後、意外な言葉がその口から飛び出したのだった。
「なによキョン、あたしの見てる夢の中でまでやっぱり偉そうなんだから。もう少しぐらいはあたしが思ってたストーリー仕立てで楽しませてくれたっていいじゃないのよ」
 なんだ? つまりこの状況っていうのは……、
「まさかお前、夢の中で自分の思い通りの展開にならなかったから不満に思ってたってことだったのか?」
「――まあそんなとこよ。でも悔しいわね、なんだかここ最近は眠りにつくたびに前に見た夢のやり直しができちゃう感じでラッキーって思ってたのに、やっぱりどこかで邪魔が入っちゃうのよね」
 なんてこった。今までのこの一週間の繰り返し十六回は、ハルヒが自分に都合のいい夢を見ようとした結果引き起こされた現象だったとはな。
「でもハルヒ、何でまた『大学生』で『家庭教師』なんだ?」
「別に……ただ、なんとなくそういうシチュエーションも面白いかもね、って思っただけよ」
「そろそろ満足、っていうかいい加減飽きたりしないか? 正直俺はもう懲り懲りだ」
「そうね……まあ、あたしの夢の中とはいえ、ちょっとキョンがかわいそうだったかもしれないもんね。もうお終いで構わないわ」
 ハルヒはそういって目を閉じると、唇を突き出すような感じで動かなくなってしまった。

 ちょっと待て。これってまさか――、

『白雪姫って……』
 YUKI.N> sleeping beauty
『~産めや増やせばいいじゃないですか』

 唐突に宇宙人未来人超能力者の言葉が俺の脳裏を掠めた、って最後のは違う、断じて違うからな!
 とまあ、覚悟を決めた俺は、ハルヒのその艶やかで湿った箇所に、自分の唇を触れさせたのであった。

 その途端――、

 またしても背中に衝撃。といっても辺りは真っ暗というわけではなく、程なくして目覚ましのアラームが鳴り始めた。
 携帯電話で確認、と。曜日は火曜日……日付は、ってまた戻ってるじゃん!
「あれー、キョンくんがもう起きてるなんてめずらしいんだー」
「だから、俺の部屋に入る前にはノックぐらいしろって言ってるだろ!」
「てへっ♪」
 なんてこった、また失敗、ループしちまったのか?
「やれやれ、勘弁してくれよ」

 失意のまま五組の教室に入った俺を待ち構えていたのは、力なく突っ伏しているのではなく、頬杖をついてぼんやりと窓の外の景色を眺めているハルヒの――またしても大慌てででっち上げたとしか思えない、無理矢理ポニーテール姿だったのだ。
 ってことは? そういえば忘れてたけど本日の朝食時には家庭教師云々の話題も出なかったな。
 念のため、俺はそれとなくハルヒに探りを入れてみることにする。
「よおハルヒ。調子はどうだ?」
「まあまあってところかしらね」
 ふむ、機嫌は悪くなさそうだな。
「最近は変な夢を見て寝不足ってことも無いみたいだな」
「えっ? ちょ、ちょっとキョン! それってどういう……」
 やばいやばい、さっさと誤魔化しちまおう。
「いや、前も何かそんな話したことなかったっけ」
「むー、まあ、そんなこともあったかもね」
「ところでハルヒ、ちょっと相談があるんだけどな」
「あら、一体なにかしら?」
「金曜の模試に備えて、それまで一緒に勉強に付き合ってもらってもいいか?」
「つ、付き合うの? あ、あたしとキョンが?」
 何もそんな大声出さなくてもいいだろ?
「ご、ごめん。……そ、そうね。あんたにしてはちょっとだけかも知んないけど、見上げたところがあるんじゃない。いいわ。じゃあ今日からあんたの家でみっちりやっちゃいましょ」
 俺の家かよ? まあ別にいいか。
「まあ、安心しなさい、キョン! あたしが手取り足取り解んないことまで全部教えてあげるんだからね。大船に乗ったつもりでいてくれて構わないわよ。超弩級よ、ドレッドノートなんて目じゃないんだから」
 相変わらず言葉の意味はよく解らんが凄い自信だな、ハルヒ。

 てなわけで、家庭教師とは違うものの、またしてもハルヒと一緒に勉強することになっちまったわけだ。
 しかし、解らんな。クラスの男子連中は俺の顔を見るなり「チクショー」とか叫びやがるし、女子連中もハルヒに対して「おめでとう」だとか言ってるみたいじゃないか。
 さてはて、一体何があったんだろうね?


いやはや、本当に支離滅裂ですな。
最近このぐらいの長さの書いてなかったんで全然ですわよ。ホホホw

しかし、途中の展開で今裏でやってるごにょごにょな流れになりそうで焦りましたよww
そっちはまだまだ公開できねーっての。
いや、ほんとに期待しないで下さいね。 orz



5 Comments to “Private Lesson”


  1. 真宮如人 — 2008/08/03 @ 01:53

    ………………………………………………………………………………キョンが……ッ…………押し倒してる………………………ッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

  2. 911 — 2008/08/03 @ 20:33

    俺の“大事な”涼宮ハルヒって、キョンそこで本音が出てるくせに最後とぼけやがって……www
    押し倒したなら勢いで最後まで(以下自粛)
    ところでループネタという話をどこかで聞いたような気がするのですがここで昇華ですか?

  3. Gimma_Akito — 2008/08/03 @ 23:54

    まとめてコメント返信です。いつもありがとうございます。

    >真宮様
    お気を確かにwwwwwwwwwwwwwwwwww

    迫られる『ハルヒ先生』は真宮様の二万ヒットカウントダウンの
    例のハルヒのイラストからインスピレーションを得てますww
    あの絵、実に素晴らしいと思います!!!!

    >911様

    >>“大事な”
    その前にも『俺のハルヒ』とか言っちゃってますしねwwww
    焦るとキョンは素が出てしまうと思ってますw

    >>勢いで最後まで
    それやっちゃうとごにょごにょなのでそっち公開までお待ちを<ぉぃぉぃ

    >>ループネタ
    サーセンwww例の「名無し」時代の電波コメントの件ですね。
    アレはちゃんとネタストックに入ってます。
    オチもちゃんと考えてはいるんですが、本文をどう展開したものか
    焦げ付いたままになってますが何とか世には出したいです。
    一応そのことも考えて、今回のネタでループ描写が被らないように
    なんて思いながら書いてましたけどどーなることやらwwwww

  4. R254 — 2008/08/04 @ 00:53

    年下の男の子って感じですねw
    いや、いいと思います、とっても。
    大学生と高校生…考えただけでもドキドキな私は年下萌えかもw
    相変わらず上手くまとまっててすごいなーと思います。
    911さんと同じく「俺の」ってところで転げましたw
    ちょっと何言ってるの~!本音?本音?とモニタに向かって小一時間。
    スレでGJできなかったのでここでGJです~!イエー!

  5. Gimma_Akito — 2008/08/05 @ 00:51

    >R254様
    コメントどうもありがとうございます。

    >>年下の男の子
    「キャンディーズ」なんてのが頭に浮かぶようじゃ
    自分ももう終わってますね’`,、(’∀`) ‘`,、

    >>年下萌え
    アイドルお妃様のアダルトな魅力で世の中のボーイズどもはイチコロですねw
    それは当然として、真宮様からお題いただいたときは
    『ハルヒ先生』が誘惑しまくりのうふふあははなネタになりそうで
    真剣に悩みましたw
    年上ハルヒ攻めといえばムキトス様の未来ハルヒという大傑作があるのですが
    年下攻めってお題だったので被らずに済みましたww

    >>「俺の」
    転げてくださったようで自分としては最高に嬉しいですwwww

    #何か最近脳内キョンのデレが強烈で脳が溶けそうです!イエー!www



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