自分には珍しく1レスの作品でした。
4096Bytesとの戦い、確かにしんどいわ。 orz
タイトルは78-791様の『その先』から拝借ってなとこです。
「ねえキョン。……あんた、入学式の日のあたしの自己紹介覚えてる?」
節分の日の帰り道、食い過ぎた豆の胸焼けを堪えてずっと黙っていた俺にハルヒは唐突に尋ねてきた。
「ああ、覚えているさ。『ただの人間には興味ありません。この中に宇宙人、未来人、異世界人、超能力者がいたら、あたしのところに来なさい。以上』だったっけ?」
いくら強烈に印象に残っていたとはいえ、そんなことをソラで言えてしまう俺も正直どうかしてるな。で、それがなんだ?
「うん、ちょっと――失敗だったかも、って。もしかしたらあのせいで、宇宙人も未来人も超能力者も警戒してあたしに近付かなくなったのかしら」
警戒どころか、今もこうして宇宙人、未来人、超能力者が、一緒に並んで歩いているという現実は一体何なのだろうね。
「やっぱり、あたしに見つかったら捕まえられて見世物にでもされる、とか思われているのかしら? 心外だわ。あたしはただ仲良くしたいだけなのに」
おいおい。朝比奈さんは捕まえられた挙句、恥ずかしいコスプレ姿を衆人環視の元に晒させられたじゃないか。見世物も同然だろう。
「じゃあ、キョン。前にもちょっと話したけど、あんたは赤鬼だけじゃなくって青鬼ともちゃんと仲良くできる? あたしが捜し求めている、普通の人間じゃない人がもし見つかったとして、あんたはその人と友達として上手くやっていけるのかしら?」
いつになく真剣な眼差しでハルヒは俺に問う。いつの間にか他の三人も立ち止まって俺の方に注目している。
俺はみんなの顔を見渡す。やれやれ、本当に今更な質問じゃないか。もう答えは決まりきっている。
「当たり前だろ。大体俺はずっとハルヒと付き合ってきたんだ。なんだかんだで上手くやってきた自信もある」
そもそも、ハルヒぐらいぶっ飛んだキャラクターが始終そばにいるのにもすっかり慣れてしまったしな。習慣とはいえある意味恐ろしい。
ふと見ると何故かハルヒは一瞬慌てて、
「な、キョン! あたしがいつあんたと付き合っ……」
と尻すぼみに口篭ってしまった。何だ、この反応?
「じゃ、じゃあ……もしあたしの正体がただの人間じゃなかったとしたら――キョン、あんたはあたしのこと……嫌いになったりしない? キョンはあたしのことをほんとに許容できるの?」
ハルヒは上目遣いで自信無さそうに訊いてくる。それが妙に新鮮で、一瞬俺の鼓動が早まったみたいだが、そんなの、きっと気のせいに決まってる。
ただの人間じゃない何か、か。
長門によれば自律進化の可能性、朝比奈さん曰く時空の歪み、古泉にいたってはこの世界の創造主、ときたもんだ。それらのどれを信じたとしても結局ただの人間じゃないってことには違いない。
だからどうした。そんなの関係ねえ。
「別に。今まで通り、何も変わりやしないさ」
俺は、いや、俺たちは今こうしてみんなで――同じ空間を――同じ時間を過ごしているんだ。
こんなにありがたいことはないじゃないか。その『ありがたい』も、有ることが難しいって文字通りの意味だけじゃなく、心の底からの感謝の意味も含めて、俺はそう思っている。
「――キョン――」
ハルヒは俺の方をじっと見ている。ああ、急に黙ってしまったから何か気になったんだろうかと思い、俺は今の自分の考えをハッキリ口に出して続けた。
「むしろ、もっと大切にしたいって思う。できれば、これから先もずっと、ずっと一緒にいたいって、俺は考えている」
俺の言葉に呆気に取られていた様子のハルヒだったが、
「もう…………バカキョン」
急に俺の手首を掴んだかと思うと反対側を向いて早足で俺を引き摺るように歩き出した。
「お、おい――ハルヒ?」
「いつまでもこんなところに立ち止まってても寒いだけじゃない。ほら、早く帰りましょう」
先程の話を有耶無耶にするかのようにハルヒは宣言して、俺の手を引いたままみんなから離れてしまった。
気のせいだろうか、朝比奈さんも、古泉も、ハルヒと俺の方を生暖かい視線で見ている。長門まで、どことなく呆れ顔のような気がするが、それは俺の錯覚なんだろう、と信じたい。
「なあハルヒ。あんまり引っ張るな。手首が痛いんだってば」
ハルヒはこちらを振り向きもせずに、
「キョンこそ、もっとちゃんと歩きなさいよ。――大丈夫、任せなさい。あたしに付いてくればこの先きっと間違い無しなんだから」
と、自信満々に答える。
やれやれ、結局はこうなるんだな。
解ってるって。この先ずっと、俺はただひたすらお前に付いていくことになるんだろうってことはな。
それにしても、おいハルヒ。お前、やたらと歩くのが速くないか?

スカート短ぇw
しかしほんと、全然節分ネタになってません。何だコリャwww\(^o^)/
