五月です。もう一週間以上過ぎてますけど。('A`)
まあそんなこんなでいつものヤツです。
↓からどーぞ。
地震が来る前にナマズが暴れたりだとか、沈没する船からネズミが一斉に逃げ出したりだとか、生物が本来持っているはずの危険に対する防衛的な予知能力とやらを、どうやら万物の霊長たる人間が失ってしまったようであることは少々残念な気がしなくもない。
まあ、普通の人間であることを自覚している俺は、素のままの感覚を頼りに己の身を守る以外に術はないのだ。当然だが、危険を察知したら逃げるのが最善だ。それは十分承知しているのだが……。
「うむむむむむ……」
後ろの座席から聞こえてくる唸り声は結局のところ丸一日止むことはなかったのだ。
振り向いたりするまでもない。腕組みして鳥類の嘴『へ』の字口状態で眼光鋭く睨みつけられでもしたら、魔法の掛けられた鏡の盾を装備していたところで石化されてしまうのがオチだ。
ハルヒの席から二つ隣の阪中も、何事かと気にしているようだ。昼休みにも「ちょっと心配なのね」なんて俺に訊いてくる始末だ。
やれやれ。これから放課後だってのに、妙に気が重くなるのは何故だろう、何故だろう?
だが、このままサボろうものなら、既に不機嫌メーターMAX状態な団長様が何を仕出かすか考えるだけでも恐ろしい。
ふむ、ということは今日は古泉のヤツは『バイト』で早退という可能性も――チクショウ、結局は俺が矢面に立つことになるんじゃないか。
まあ、おそらく朝比奈さんはオドオドと怯えるのが関の山で、長門は読書モードで我関せず状態だろうから最初から期待するだけ無駄……、
「って、おい? 急に引っ張んな」
「うるさいバカキョン、早く来なさい」
ハルヒが俺の首根っこを掴んで教室を出て行こうとしたので、つい鞄を置きっ放しにしそうになっちまったじゃないか、全く。
ああ、しかし――クラスの連中の妙にぬるい温度の視線を受けても動じない鋼の精神を身に着けた俺は、果たしてこのことを喜んでいいのか、正直複雑でもあり、
「ちょっと、あんたいつまでそうやって引き摺られてんのよ? 足はちゃんと二本生えてるんでしょ、自分で立ちなさい!」
「解った、解ったからそれ以上引っ張るな、この怪力女!」
道中は端折って、文芸部室に到着である。
「で、何だこれは?」
「もう、見れば解るでしょ? figma よ、figma ! 『夏服Ver.』じゃないの」
いや、それはいくらなんでも解るが、何故に同じものが一つ、二つ――四つもあるんだ?
「なによ、少しぐらいはありがたいと思わないのかしら? 四体あれば御利益だって四倍よ、四倍!」
御利益だか神通力だか知らんが、そういうのはお前本人が一人いれば十分だと思うぞ。
「わあ、涼宮さんの新しいお人形さんですね。やっぱりすごく素敵なんです」
「ほら、さすがにみくるちゃんも解ってるじゃないの。キョンも物事に対して捻くれた見方ばっかりしてないでもう少し素直になったらどうなのよ」
それはお前にだけは言われたくないね。
「あれ、でも涼宮さん、前にこれ注文したときは一個だけでしたよね。後からまた追加注文したんですか?」
「え……ええまあ、そんなとこ」
やや歯切れが悪そうに返答したハルヒは、またしても先程までの仏頂面に逆戻りして、ブツブツとなにやら呻き始めた。
果たして今回のイライラがどの程度のものなのかは見当もつかないが、面倒くさいことには変わりないだろう。おーまいがっ!
しかし、figma といえばアレだな。確か色々と小物とか交換パーツが付属してるんだっけ。そういえば今回はどんなんだったっけか?
「こらキョン、勝手に触んな!」
何だよ、四体もあるんだったら一つぐらい構わないじゃないか。
「ダメ!」
本気で拒否かよ。まあ焦ることもない、ここは引き下がっておこう。しかし、figma 相手に俺が妙なことを仕出かすとでも考えてんのか?
「むしろ何かなさるのならご本人に直接、というのはいかがですか?」
って古泉、お前バイトに行ったんじゃなかったんかい!
「いいえ。今のところは特に急を要することもまだありませんので」
ってことは――ハルヒはしかめっ面してる割には、まだあの空間を作り出してないってことか。
俺はふと長門に目を遣った。分厚いハードカバーに没頭していたはずの長門は一瞬だけ顔を上げてこちらを一瞥すると、すぐさま視線を紙の上の文章に落とす。
なるほど、この反応からして特にややこしい事態には遭遇せずに済むのかも知れないな。
で、肝心のハルヒはというと、何やら交換パーツの一部を四セット全て回収して元の箱に収めて、棚の上に綺麗に仕舞っているのだった。
何だ、おい? 普段の行動からして、片付けとか面倒なことは俺に命令しそうなんだが、どういう風の吹き回しだ?
やがて下校時刻になり、朝比奈さんの着替えのため廊下に追い出されたりなど、テンプレート化した流れのまま、いつの間にやら坂道を下る五人組なのであった。
「――ううむ」
ハルヒは相変わらず何か考え込んだままのようだったが、不意に朝比奈さんの鞄を掴んで立ち止まった。
「ふえっ! な、なんなんですか、涼宮さん?」
「……ねえキョン」
って朝比奈さんじゃなくて俺かよ。話するんならせめてこっち向いてくれよな、全く。
「上履きとか体操服とか、あたしたちの学年は青で、みくるちゃん達は赤で、もう一つは緑だっけ? 各学年で色分けしてるのに」
そこまで言ってから大きく息継ぎ――どちらかというと嘆息にも似たような感じではあったが――をしたかと思うと、
「何で学校指定の鞄はこの色だけなのかしら?」
うん? 言われてみれば確かにそんな気もしなくもないが、でもそれがどうかしたのか?
「……別に」
ハルヒはそう言ってまた黙り込んだまま歩き始めた。
朝比奈さんは全く状況を把握できていないまま棒立ち状態で『?』マークを頭上に展開中、長門は一時停止すらすることなしに黙々と前進、古泉は俺が目線を向けると何やら意味有り気な表情を浮かべていた。
まさか、今日ハルヒが一日中、鞄の色のことを考えていたとも思えんし、どういうことなんだ、一体?
てなわけで、場面変わってここは俺の家。やれやれ、しかし今日は精神的にくたびれちまったな。
「キョンくん、おかえりDEATH! くらえ、すーぱー大切断っ!」
って、コラ! 一々体当たりせんでもええっつーの。それにその妙に古い必殺技ネタは何だ? 妹ならそれらしくもっと可愛げのある出迎え方をしてくれ。
「ぶー、キョンくんに荷物が届いてるから教えてあげようと思ったのにー」
膨れっ面した妹が差し出した段ボール箱を見て、俺は先程のネタが意味するものをようやく理解した。いや、普通は解らんってこんなの。しかし、某画集のときにはえらく待たされてこのザマだよ! とか叫びそうにもなったが、今回は案外早かったな。
自室に篭って荷物を開梱した俺は、本日のハルヒのがあの様子であったことの原因をなんとなくだが理解したような気になったのだ。
さて……翌日。
「ほれ」
「ちょっとキョン、なにこれ……ええっ? 何であんたがこれを」
「どうせ昨日の四つは全部色違いだったんだろ?」
「ぐっ……」
どうやら図星だな。
俺が手渡したのは、figma 用の鞄の青色だ。昨日届いたブツに付属してたのがたまたまこの色だったのが幸いしたってところか。
「な、なによ、大体おまけに付けるなら全部青にしておけばいいのに、全く」
どうもハルヒは四体注文した全てがハズレのカラーだったのが悔しいようである。――いやいや、ここまでくだらないことに必死になるのもある意味では羨ましいことなのかも知れん。
「ところでだ……色が青じゃなくて気に入らないんだったら、自分で塗ればいいんじゃないのか?」
「あっ!」
現在の俺は手元にデジカメを持っていなかったことを絶賛公開中もとい後悔中である。ビックリして目が点状態のハルヒのレア顔なんて、そう滅多にお目に掛かれるようなもんじゃないからな。
てなわけで、部室の四体分の鞄は無事ネイビーブルーに着色される運びとなった。当然だが塗ったのは俺でもハルヒでもなく、長門だ。何を頼んでも器用にこなすのはもはや既定事項と言っても差し支えあるまい。
「ところでキョン……あんたも『夏服Ver.』を買ったってことは、まさか!」
おいコラ落ち着け、その団長印の四角錐だか三角錐だかハッキリしないモノを投げるな。尖ってて刺さったら出血間違いなしだぞ。つーか安心しろ、パッケージ自体はまだ未開封状態だ。
「怪しいわね。勝手に髪型パーツを差し替えて一人でニヤニヤしてたりするんじゃないの? あたしはそんなのイヤだからねっ!」
まだしてねー。てか、勝手にするのが嫌ってんなら、許可を取ればやってもいいってのか?
「それは――その……」
急にモゴモゴ言い始めたハルヒはそのまま俯いてしまった。これは許可なのか、不許可なのか、一体どっちなんだ?
その日の昼休みの終了時に現れたハルヒは――いつか見た例のちょんまげもどきなポニーテール姿なのであった。
何だろう、これでもサービスのつもりなのかね?
「うっさいバカキョン!」
ちなみにハルヒのその髪型はほんの僅かの間のことであった。本人曰く、安売りする程気前はよくないってことらしい。
そうだな――きっともっと暑くなって、衣替えでみんなが半袖になっている頃にはもう一度お目に掛かれたら御の字なんだろうかね。
いやはや、どーもすみません。 orz
しかし本当に文章が出てこないですね。色々とオワタ\(^o^)/状態かも。
figma は新作が二種類は確定してるんですけど、今後のメタネタのタイトルどうしよ?
とか皮算用してる場合じゃないよね。'`,、('∀`) '`,、
で、夏服Ver.なんですが、konozama喰らってたのいぢ画集と同日に到着ですたよ。
自分は二個注文で鞄は青と赤だったとか。
