(´・ω・`)ノシ

結局バレンタインネタはボツにしてしまいましたw
ファイルも全消去。オワタ\(^o^)/

で、確か大雪って程でもないけどこの時期に有希雪が積もったりしてたので
こんなのを書いて投下してみたと。
figma長門の発売日とも重なってたし、せっかくだからってことでどうぞw


「あ~あ……雪、すっかり溶けちゃったわね」
 涼宮ハルヒは憂鬱そうな呟きと共に、深い溜息を漏らした。

 放課後の文芸部室。

 今この空間には、彼女の他にはわたしがいるのみ。
 朝比奈みくるも古泉一樹もまだ今日は姿を見せていない。そして、おそらく彼女の退屈の原因は『彼』が来ていないこと。
 いつものように読書を続ける私のことを、涼宮ハルヒは暫くの間じっと観察していたようだ。観察対象から観察されるというのもある意味興味深い事象ではないだろうか。
 とても静かだった。といっても、全ての音が消失してしまったというわけではない。聴覚レベル的にはわたしが本のページを捲る音も涼宮ハルヒの心音・呼吸音も認識可能である。
 しかし、ある種非常に稀なことなのかもしれない。彼女がわたしと二人きりでこの場に存在するということ。そして彼女がこれほどまでに沈黙を続けているということも。
 だがその沈黙も長くは続かなかった。
 多分なにかを逡巡しているような素振りを見せていた涼宮ハルヒが、意を決したようにわたしに話しかけてきたのだった。

「ねえ、有希」
「……なに?」
「ちょっと教えて欲しいことがあるんだけど――いいかしら?」
「回答可能な範囲であれば」
「ええ、それで構わないわ」
「そう」
「えっと、それから今これからここで話すことはあたしと有希の二人だけの秘密にしてもらってもいい? みんなには――特に、キョンには絶対教えちゃダメよ」
「なぜ?」
「実はこれから訊くことは、キョンに口止めされてたことなの。……うん、あたし自身キョンとの約束を破ったのに、それでいて有希には秘密にして、なんてのはムシが良過ぎるってのも承知してるわ。でも――」
 彼女は一瞬目を逸らして俯いたがすぐにわたしに向き直り、
「どうしてもあたしは自分で確認したかったの。――ねえ、有希――あなた、転校しちゃうかもしれないって……ほんとなの?」
 彼女の質問はわたしにとっても予想外だった。
 回答するなら一言だ。『いいえ』。そう答えればいいだけのこと。現時点でわたしがこの学校から転校するなどという可能性はゼロである。
 だが、わたしはすぐそう答えるのを躊躇した。そもそも彼女がなぜこのような疑問を抱いたのかをまず明らかにした方がいい。そのようにわたしは判断した。
「それは『彼』が言っていたこと?」
「ええ、そうよ」
「そのことを『彼』が話したのはいつ?」
「え~と、確かこの前の冬合宿だったかしら。あたしたちがスキーしてる途中に吹雪に遭って――って、アレ? あのときの変な館って幻覚だったんじゃ……」
 涼宮ハルヒは自分自身の記憶に混乱させられている様子だった。
「と、とにかく合宿の間のことってのには間違い無いんだけど、その時キョンが、有希のことで『遠くの親族のもとに行く可能性がある』って言ってたんだから」
「……『彼』はわたしがそう言ったと?」
「うん。キョンが入院してたときに、有希――あんた一人でお見舞いに行ったりしたの? あたしもずっといたはずだけど気付かなかったわ。まあ、とにかくそのお見舞いのときに聞いた、って言ってたわ」
 それを聞いてようやく今までの話の内容に整合性を見出すことができた。
 おそらく『彼』がわたしの暴走によって生じた世界から帰還したときに『わたしの処分が検討されている』とわたしが伝えたのを、彼女に対して当たり障りなく教えようとしてそのような作り話をしたのであろう。
 転校というのは、以前わたしが情報操作で『朝倉涼子は転校した』ことにしてしまったのを参考にでもしてくれたのだろうか。
 とにかくここは『彼』に話を合わせておくべきだろうと判断する。
「そのような話を確かに『彼』に対してしたことは事実」
「そう――やっぱり」
 涼宮ハルヒの表情が僅かながら曇る。心拍数の増加を確認。動揺……しているのだろうか。
「でも、先方の事情もあってその話自体は既に解消済み」
「じゃあ、有希は転校したりしないってこと?」
「そう」

「……よかった」
 涼宮ハルヒは安堵したかに見えたが、すぐに咎めるような口調で捲くし立てる。
「でも、なんでキョンに教えてあたしには話してくれなかったの? これでもあたしはSOS団の団長なのよ。責任者よ責任者!」
 少しの間をおいて彼女は改まった感じて訊いてきた。
「――――ねえ、有希。もしかしてあなた、あたしのこと、信用してないとか、そんなわけ、ないわよね?」
 射抜くような視線にもかかわらず、彼女の声はなぜか不安げだった。
 『彼』の話に口裏を合わせるとか、そういったことはもうどうでもよかった。わたしは自分自身が思っていることをそのまま告げるべきだと考えたのだ。
「あなたのことは信頼している。我々のリーダーとしても、一人の人間としても。……あなたに伝えなかったのには理由がある」
「えっ?」
「……あなたに、心配は掛けたくなかった。あなたの不安そうな顔を見たくなかったから……今のような表情を」
「!」
 涼宮ハルヒは、両手で口元を覆うと、わたしの視線から外れるように後ろに回りこんでしまった。
「な、なによ。有希までそんなこと言うなんて。遠慮しなくてもいいじゃないの。キョンにも言ったけど、団員の心配をするのは団長の務めなんだって――」
 あとは声にならなかったようだ。
 涼宮ハルヒは、突然わたしの背中から抱きついてきた。

「………………」
 どう反応して良いか解らない。
 せめてもの救いは、彼女が泣いているわけではなかったことだ。
 彼女は声を震わせながら囁く。
「ごめん――有希。でも……あたしだって不安になったりすることもあるわよ。いつか急に、有希があたしたちの前から急にいなくなっちゃうんじゃないかって――まるで春になると溶けてなくなってしまう、外に積もってた雪みたいに」
「…………大丈夫」
「――――えっ?」
「……『鳥だって空から落ちることもあるし、時には四月にだって雪が降ることもある』……」
「有希――何のこと?」
「……今読んでいる本に書かれていた一文。特に意味はない」
「有希……」
「大丈夫。わたしは急に消えたりしない。あなたと……『彼』が、みんながいる限り絶対にいなくなりなどしない」
 何の根拠があるわけでもない。でも涼宮ハルヒを安心させるための方便などではない。
 わたし自身が今のわたしの言葉にすがりたかったのだ。
 任務とかそういったものは関係ない。
 今のこの環境を、SOS団という『仲間』の存在を失いたくないと思っているのはわたしの方も同じだ。
「だから、お願いがある」
「……なに、有希?」
「あなたも、わたしたちと共にありたいと思っているのならば…………その想いを大切に持っていて欲しい……いつまでも」
 わたしの言葉に彼女はようやく落ち着きを取り戻した。
「ありがとう――有希。そうよね……団長のこのあたしが団員のみんなを信じないことには始まらないわ」
 そう言って涼宮ハルヒはわたしの体を開放すると腕組みして室内をうろつきだした。
「でも『四月にだって雪は降る』か……。そうね、この前も秋なのに桜が咲いちゃったりもしたし、ひょっとしたら入学式のころに大雪になったりするかもね」
 彼女がそう願えばそれは実現してしまうことだろう。環境情報の改竄がこの惑星に与える影響については『彼』には既に話していたのだが、さて、どうしたものだろうか?
 でも心配は要らないのかもしれない。
 他の団員がこの部室に集合すれば――『彼』が現れたならば――涼宮ハルヒの興味はまた別のことに移るに違いないのだ。
 かといってそれが新たに我々、特に『彼』の悩み事となる可能性は決して低いものでもないのだが。

 しばらくして二人だけの空間は終わりを告げることとなった。
「す、すみませ~ん。すっかり遅くなっちゃいました~」
「あっ、みくるちゃん! もう、来るのが遅いじゃないの」
「ふ、ふえっ……ご、ごめんなさい~」
「まあ、別に怒ってるわけじゃないわ。…………そうだ、有希、みくるちゃん、今度のバレンタインデーのことなんだけど、あたしにとってもいいアイディアがあるのよ! ちょっと協力してもらってもいい?」
「は、はい」
「……了解した」
 涼宮ハルヒの双眸に宿る光を見てわたしは再度理解した。今の胸の中に生じた処理しきれないこの複雑な感覚は、決してエラーなどではないのだ、ということを。


タイトルからも解るとおりハルユキ、しかも長門視点。
無謀にも程があるw

原作「雪山症候群」の件から膨らませてみたお話なんですが
正直女の子同士の友情とか、そういうものは自分の想像を絶するものなのでw
ちょっと苦しいんじゃないかなとか我ながら思う次第です。

で、↓はSSは没にしたけどラクガキはなんとかしておこう、といった足掻きの残滓ですw
前にも書いたけど『宮崎風』ってのはイマイチワカランです。
絵が古臭いってのは同意です。てかジジイなもんで。サーセンwww
そういえば5人勢揃いってのはこれが初めてか!




4 Comments to “ハルニフルユキ”


  1. 911 — 2008/06/19 @ 00:39

    なかなかコメント入れられなくてすみません。
    リンクありがとうございます!
    この話、ハルヒと長門の会話がすごく好きで印象に残っていました。
    長門視点上手いですよね。雰囲気出てて脱帽です。

    #ソウウツさんで紹介されていましたね。
      ムキトス氏と同感だったりしますw

  2. Gimma_Akito — 2008/06/19 @ 02:17

    >911様

    毎度ありがとうございます。
    あ、リンクは散々引っ張って今頃になってしまい申しわけありませんでした。

    このSSはネタとしてはオイシイというか正直ずるいかなみたいな感じと
    せっかくの素材をちゃんと生かせるかどうかってので妙に不安でしたね。
    案の定スレ投下版では描写が完全に抜け落ちてる箇所があったりして
    かなり冷や汗モノでしたw

    今これを書いているときも直したい箇所が見つかったりしてますwww
    後でこっそり修正ぉぃ

  3. 蔵人 — 2008/06/19 @ 03:06

    ソウウツさんから流れてきました。ムキトスさんが薦められてるとおりのしっかりとした構成に圧倒されます。
    ウチのブログのアンテナにも紹介させていただきます。
    これからも期待しています!!

  4. Gimma_Akito — 2008/06/19 @ 11:07

    >蔵人様

    ありがとうございます。
    当の本人は構成とか何にも意識せずに行き当たりばったりだと思ってたんですがw

    リンク張らせていただきました。
    今後ともよろしくお願いいたします。 ノシ



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