(´・ω・`)ノシ

久々のSSらしいですよ?
例によってボロボロなのはもう諦めました。 orz

しかし、最近はスレ建てと埋めでしかSS書いてないような……。
↓からどーぞ。


 珍しくまったりとした午後の部室、その平穏な空気を一変させたのは、なんというか――至極当たり前のことでしかないのだが、ハルヒだった。
「ねえ、みくるちゃん。アレ、知らない? ここに置いてたはずなんだけど」
 入ってくるなり団長席の周辺をもぞもぞと探し物でもしていたらしいハルヒが上げた声に、メイド姿の可憐な先輩の背筋が緊張する。
「ふえっ? え、えーと、アレですか? ごめんなさい。わたしがお掃除したときにはもうなかったと思いますけど、いつも涼宮さんが持ち帰ってたんじゃないんですか?」
「あたしも、そのつもりだったんだけど、昨日家で鞄の中探しても見つからないし、ここに忘れたかと思って」
 朝比奈さんはまるで自分に過失があったかのように申し訳なさそうにしていたが、ハルヒはそれ以上問い質したり咎めたてる素振りも見せずに回れ右した。
「ねえ有希、あなたがここに来たとき、アレってここになかった?」
「ない」
 実にあっさりとした返答だけ寄越し、長門は先程から手にしていた新書サイズに意識を戻した。
「……むーん」
 ハルヒに落ち着きがないのは毎度のことだが、気のせいか、何か焦りのようなものをその両の瞳に湛えているようにすら思える。
 と、そこで正面に視線を戻した俺はしなくてもいいはずの後悔をする羽目になった。つーか、その薄気味悪いアルカイックスマイルは止せ。
 あーくそっ、何か古泉の意向に乗せられちまってるとしか思えんが、このままツッコミを入れずにスルーし続けるのも精神衛生上いいはずもないしな。
「おいハルヒ。お前さっきからずっと何を探してるんだ? 端で聞いてても『アレ』としか言わんし、さっぱり見当も付かんぞ」
「うっさいわね。キョンには訊いてないんだから黙ってて」
 上辺だけは威勢のよさを保とうとしているみたいだが、いつものハルヒにしてはなんとなくだが声に力がないのはどういうことだろう?
「もういい……あたし帰る」
 突然ハルヒはそう呟くと、自分の鞄を引っ掴んで、まるで逃げるようにドアから出て行ってしまった。
「やれやれ。なんか妙にバツが悪そうにしてたけど、なんだかな。大体、あいつは何を必死で探してたんだ?」
「おや、あなたはご自分で涼宮さんにプレゼントした物を忘れてしまったのですか?」
 はあ? プレゼントだ?
「そうですよ、キョンくん。涼宮さん、いつも大事にして肌身離さずにいたのに。忘れちゃうなんて酷過ぎです」
 いやいや、あの、朝比奈さん? 何でそうなるんですか? つーか、長門。ハルヒの奴、一体何を探してたんだ?
「魚眼レンズで撮影された犬を模式化したぬいぐるみ」
 ぬいぐるみ、ぬいぐるみ……って、もしかしてアレのことか!

 ………
 ……
 …

 とある日の放課後、ハルヒは熱心にパソコンに噛り付いている。ネットサーフィンだかなんか知らんが、お気楽でよござんすね。
「こらキョン、あたしはちゃんとこの広い世界にアンテナを張り巡らせて、どんな些細な不思議をも見逃したりしないの。SOS団の団長たるこのあたしにはその崇高な使命があるのよ、決して遊んでるわけじゃないんだから」
 その割に見てるサイトが全然違うジャンルなのはどういうこった?
「甘いわね! いい、一件こういう何気ないサイトにも、ひょっとしたらなにか不思議の種が隠されてるかもしれないのよ」
 へいへい、まあなんだ、そうやってネットで気を紛らわせていてくれたらこっちも少しは気が休まるってもんだ――マジで妙なものを見つけちまったりしない内はな。
「うーん、それにしても、こうやってずっとマウスばっかりつかってると、手首が痛くなっちゃうのよね。何とかしなさいよ、キョン!」
 いや、何とかしろっても……そういえばお前、この間クッションの付いたマウスパッド使ってなかったか?
「あれってなんかマウス置く部分が気持ち悪いのよね。だからコンピ研に放っちゃってきたわ」
 ちなみに、そのマウスパッド自体は元々コンピ研の備品だったらしいので、然るべき場所に戻されたってだけの話でしかない。
 ブツブツと文句を言いながらもハルヒはマウスを片手に液晶モニタとにらめっこ状態、そんなに姿勢悪いと、肩凝るんじゃないのか、全く。

 その数日後。

「ハルヒ――ほら!」
 俺の放り投げた紙袋をナイスキャッチしたハルヒは、誰に断るでもなしにその中身をおもむろに取り出した。
「ちょっとキョン……なによこれ?」
 何って言われても、まあ、しばらく前にゲーセンでゲットしたプライズのぬいぐるみなんだが。
「ぬいぐるみだってことぐらい見れば解るわよ」
 そう怪訝そうな目で睨むなって。
「だからな、昨日ハルヒがパソコン使ってるときに手首が痛いって言ってただろ。だからクッション代わりにどうかと思って」
「それがこのあんたそっくりのマヌケ面ってわけ?」
 マヌケは余計だ。
「まあ、あんたがそこまでして使って欲しいって言うんだったら、しょうがないから使ってあげても構わないわ」
 とか文句たらたらではあるものの、何故かハルヒはそのぬいぐるみを大事そうに鞄にしまったのであった。
 その後も、どうやらパソコンを使うときはちゃんと手元に置いている様子である。たまに俺が眺めてるのに気付くとこれ見よがしに肘でグリグリと圧迫してふざけている始末だ。
 まあ、気に入らないってわけでもなさそうだし、これでよし、としておくかね。

 …
 ……
 ………

 なるほどねえ。しかし、まさかハルヒがあの『マヌケ面』なぬいぐるみをそこまで気に入ってたとは。あいつの好みってのも、やっぱよく解らんな。
「ふむ……もしかして、本当にご理解なさってないのでしょうか?」
「ダメですよ、キョンくん。乙女心ってデリケートなんですから」
 あ、あの……何故みんなしてそんなに冷たい目で俺をみるんでしょうか?
「どんな物を貰ったかよりも、誰から貰ったかが重要」
 って長門? それは一体……。
「これは処置なしですね」
「やっぱりキョンくんって酷いですぅ」
「…………」
 俺、何か悪いこと、したっけ?

 下校時刻、釈然としない思いのまま下駄箱から靴を取り出した俺は、そこにまたしても謎の封書を発見することになってしまった。
 これは多分……朝比奈さん(大)のメッセージだな。
『いつもの公園で待ってます』とね。時刻指定は特にない、ってことは? 俺がこれを目にする時間を逆算して、ってことなのだろう。

 果たして――駅前の公園で俺を出迎えてくれたのは、タイトスカート姿のビューティVer.朝比奈さんであった。
「お久しぶり……キョンくん」
「それで、今度は俺は何をすればいいんですか?」
 単刀直入に用件のみを訊く。本来なら色々と聞き出したいことはあるのだが、どうせまた適当にあしらわれるのも既定事項なんだろうしな。
「今からわたしと『昨日』――つまり一日前に戻って欲しいんです」
 やれやれ、またあの暗転ジェットコースターを体感することになるってことだな、合掌。
 そうなると、ふと疑問が口をついてしまう。
「一つだけ訊いてもいいですか?」
「なんでしょう?」
「どうして『昨日』の俺に頼まなかったんですか? それなら俺は時間遡行せずに済むと思いますけど」
「あら、キョンくんは昨日の放課後、なにをしていたか、ちゃんと覚えてる?」
 なるほど……そういうことか。確かに昨日はずっとハルヒに引っ張りまわされて……。
「つまり、その時間に俺がもう一人いる必要があるってことなんですね?」
「本当は別にキョンくんじゃなくて、他の人でも構わないんだけど……ね?」
 なんかよく解らんが、どうやら未来人はこの時代に直接何らかの干渉を行うことは禁じられているらしい。
 でも、そういう意味では俺だって『一日未来人』ですよ――まるで言葉だけ抜き出せば『一日署長』とかそんなノリに聞こえるのがアホらしいが言っても仕方ないので黙っておく。

 もう何度目になるんだっけ? 例によって目を開けていられない程の重力異常と回転が俺の全身を支配する。いつもこれが始まってしまってから思い出すんだが、今度こそ酔い止め薬をポケットに常備しておくんだぞ――いいな、俺。

「キョンくん……目を開けて」
 セクシー・アンド・ゴージャス朝比奈さんに促され、目を開けた俺が立っているのは北高の校門付近だった。またこの場所だな。

 それからは、朝比奈さん(大)に指示される通りに、あちこちに移動しては色々なものを移動したり、開けたり閉めたり取り出したり隠したりの繰り返しであった。
 朝比奈さん(大)はときおり何かを調べているみたいであるが、メモを取ったり、何かの装置にデータを入力するような様子は窺えなかった。そういえば未来ではコンピュータが云々なんて話をしたのは、いつ何処でだったか?

「これでいいのかしら……うん、終わりかな」
 その言葉と同時に俺も一息ついてしまった。
「それじゃ、元の時間平面に戻りますね。キョンくん、準備はいい?」

 そのとき、俺はふと思い付いたことがあった。
「あの、ちょっとだけ待ってもらっていいですか?」
「うふふ。いいですよ、どうぞ」
 どこか謎めいた微笑を浮かべた朝比奈さんデラックスではあったが、俺はそのときは別段気にすることもなしに、その場を離れてしまった。

 やってきたのは、文芸部室だ。もちろん先に職員室に行っておいたので鍵もしっかり用意済みだ。
「ああ、やっぱりあったか」
 団長席のパソコンのキーボードの脇に無造作に転がっている犬の鼻デカぬいぐるみを手に取る。案の定、ハルヒはここに忘れて帰ってたということだ。
 だが、翌日になると、何故かこのぬいぐるみは行方不明になってしまう。誰の仕業か知らんが、随分と物好きな奴もいたもんだ。
 うん? ……ということは、今のうちに俺がこのぬいぐるみを確保してしまえば、その物好きな犯人にこのぬいぐるみを渡さずに済むんじゃないか?
 俺はそいつをポケットに突っ込んで部室を後にした。っと、施錠を忘れないように、と。
 さて、あんまり待たせちゃ悪いしな。朝比奈さん(大)のところに急ごう。

「すみません、お待たせしました」
「わたしは大丈夫。さあ、行きますよ」
 またしても襲い来る暗闇平衡喪失タイムに翻弄されながら、俺は間違っても将来宇宙飛行士を目指したりしないことを心に固く誓うのであった。

 元の時間――そして元の場所、すなわち公園のベンチで寝転がっていた俺が身体を起こしたときには、朝比奈さん(大)の姿は何処にもなかった。
「……何だこりゃ?」
 胸ポケットに入っていたのは一枚のメモ。

『すべては既定事項です』

 うん、『既定事項』だ? さて、これは一体どういう意味なのやら? まあ、深く考えても仕方がない。とにかく帰ろう。腹減った。

 次の日――。
 朝から俺の後ろの席で萎れている誰かさんの姿が目に入った。全く、世話が焼けるってもんだぜ。
「ハルヒ――ほら!」
 俺の放り投げた紙袋を再びナイスキャッチしたハルヒは、やはり誰に断るでもなしにその中身をおもむろに取り出した。
「ちょっとキョン……何であんたがこれ持ってるわけ?」
「実はな、昨夜、夢にこいつが出てきて、それで目が覚めたら枕元に転がってた」
「……なによそれ、バカじゃないの? 面白くもなんともないわ」
「冗談だ。お前が帰った後で俺が部室に落ちてたのを拾った」
「ええっ? 嘘でしょ、だって昨日あんなに探したのに」
「きっと盲点になってたんだろ」
「うーん、納得いかないわね」
「ハルヒ――よかったな」
「あっ……う、うん……じゃなくて、別に何とも思ってないんだから、フンだ! まあ、せっかく見つかったんだし、今まで通りに使うだけのことなんだし……」
 おい、何を口篭ってるんだ? 聞こえないぞ。
「うるさい、このバカキョン!」
 やれやれ、でも、これでハルヒも通常運転ってことだな。まあ一件落着ってところか。
 
 
 
 
 
 
「ところで長門……あのぬいぐるみを盗もうとした物好きな犯人が一体誰なのか、見当は付かないか?」
「犯人は……あなた」
 へっ?
「理解できなければ、これを読んで」
 そういって長門は俺に某有名漫画の第十七巻を手渡してきた。
「長門……これをか?」
「読んで」
 仕方がないので、家に帰ってから最後まで読んださ。

 ああ……俺はバカ野郎だとも。


なんか、読んでてオチが先に解ってしまうだろうなーとか思いつつ
まあいいか、とそのまま投下。 \(^o^)/

さて、さっさと脱出できるといいんですけどね、色々と。




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